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何を思ったか没SS晒し

家族が入院したり通い詰めで疲れ果てたりしててこちらはさっぱりご無沙汰しておりました。
もう暫く更新できそうにないので、お茶濁しで「+α」の没バージョン途中までを追記に晒しておきます。

色々酷いんで、しかたねーなー見てやんよ! という奇特な方はご笑覧ください(*ノノ)
というわけで恥を晒しておきます…!


***** ***** ***** ***** *****



 
自覚するっていうのは非常に厄介だ。
その自覚した内容が、”ずっと家族と同じように思っていた幼馴染”と思っていた相手の事を異性として好きになっていた事と、その幼馴染がどう考えてもハイスペックで、体質以外は極普通の自分とは釣り合わない事、そしてやっぱりどう考えても私なんぞよりお似合いの相手がいるって事だったりするのだから、自覚した恋心をあっという間に封印せざるを得なくて、ただそんな簡単に封じ込められるかといえば正直難しい。そこまで自覚しきっているので、本当、厄介だ。
そんな厄介なものを抱えた私は、とにかく忘れてしまおうと思ってユーリの顔をそれとなく見ないように振舞うことにした。現実からほんの少し逃げて、黒髪の幼馴染への思いを忘れようと必死に頑張った結果、気付けば本当にユーリの顔を見れなくなっているんだから我ながら凄いやら情けないやら。
エステルと並び立って先頭を歩くユーリの綺麗な黒髪が揺れる背中が、ここまで遠いものだったかと自問自答する。自覚してなかった頃は、物理的にも精神的にもずっとずっと近かった、近くいられたと、思う。ほんの数歩の距離の筈が今は物凄く遠くて、だけどそういう風に仕向けたのは自分だから、今更近付けるわけもない。
厄介だ、本当に厄介なものだ。
私では釣り合わない、私では勝てない、そんなわかりきった結果に傷つくのが怖くて即座に蓋をした筈の想いが、胸の奥でじくじくと痛んで俄かに視界が歪む。馬鹿らしい、自分で決めたことに自分で傷つくなんて、大馬鹿もいいところ過ぎて、口を笑みの形にゆがめた。そうして無理に笑うと、視界の歪みがほんのちょっとマシになって、私は一度瞬きをして歪みの残滓を大気に散らした。
 
 
 
なだらかに下る山道をぼんやりと、一行の最後尾を歩く。ユーリは先頭を歩き、その後ろにエステル、ジュディス、カロルと続いた。
山の上にあった素材を採りにいった帰り、普段なら濃い緑に彩られている森の景色は、夕日をうけてその色彩を更に濃く暗くしている。
素材採取班に振り分けられたのはユーリ、エステル、ジュディス、カロルと、そして私。リタとレイヴンさん、それからラピードは近くの町で必要な道具のお買い物中だ。
出来れば私もお買い物班に入りたかったけれど、今回必要な素材になる植物は形がよく似た別の植物と群生する性質があり、その見分けが出来るのが私だけなので採取班入りせざるを得なかった。
……表面上ユーリと普段どおりに、だけどあまり正面から顔を合わせないように接するのにも大分慣れた。
けれどどうしても諦めきれない想いがぐちゃぐちゃに撹拌されていて、もうずっと気分は晴れないまま。それでも市場の売り子という仕事柄、笑顔でいるのが苦にならないお陰で、皆にはそれを悟らせずに何とかやっている。売り子やってて良かった、なんて何もこんなところで実感しなくてもいいのになぁ、と思う。
 
そして突然。
ず、と足元が滑る感覚。
その感覚に引きずられるように、体もぐらりと傾ぐ。
前にもこんなことあった気が、と頭の中でその時の記憶が瞬くのと腰をぐっと引き寄せられるのとは同時だった。
 
「…っの馬鹿、ボヤッとしてんな」
 
ガララ、と崩れた崖の一部が底に落ちていくのが半歩先の光景として目に入る。考え込みすぎて、全く回りの景色に気がいかなくなっていた。そんな私を横抱き気味に抱える力強い腕の感触と、頭上から焦りを含んだ低い声。一瞬で起きた色々に混乱したまま、声に惹かれるように顔を上げる。
視線が、少し怒ったように眉を寄せて私を見下ろすユーリの深いアメジストの瞳とかち合った。
 
 
久しぶりに真正面から彼を見て、思考も、体も固まる。真っ直ぐに私を見る目も、崖下に落とすまいと私の体を支える腕も、私を叱る低い声も、意識して遮断してきたものすべてが今いっぺんに揃っていて、それだけで一生懸命封じていた筈の気持ちが勢いを増して溢れそうになる。



***** ***** ***** ***** *****

最高に中途半端なところで途切れるという。
ちなみにこの後色々説得タイムを経てユーリさんによる一方的なイチャイチャが始まる予定でしたが、
「あれ…もうちょっと明るめの話の予定じゃなかったっけ……」
と我に返ったので没にしました。てへぺろ。
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